初めてきてくださいました。
少し緊張がほぐれてきた頃、
彼女が、その日、何度も言葉にしていた
「きちんとしなきゃ」と感じる自分を描いていただきました。
はじめは、濃い青で直方体が1つでした。
「なんかこう…きちんと、カク、カク…窮屈…みたいな。」とか言いながら、描いてくださいました。
そして、話が進んでいくうちに、
「あ、これ何重にもなってる気がします。」
と箱の中に箱。またその箱の中に箱。
またその箱の中に箱………
と何重にもなっているそうなので、描きたしておられました。
心の声をじっくり聴いて…
最後に質問してみました。
「この何重もの箱。見てると、どんなことを思いますか?」って。
そしたらね、彼女は、言いました。
「あ、アピールしてるみたい。『私、しんどいんです。私、苦しいんです。』って。」
「あれ、そんなこと思ったことないのに、なんでだろ。そんなことが思い浮かぶ。」
きょとんとした顔が、まるで子どものように素直な顔でした。
表現アートセラピーは、こういうところがおもしろい。
感覚を可視化するから自分と対話できる。思いもよらない発見がある。
彼女も、ホッと一息つきました。
そして、顔をみたら…さっきまでの沈んだ表情が、一段も二段ももトーンが明るくなっていました。
「不思議…そうだったかもしれない。」
って言いながら笑っていました。
「だから私、元気になれなかったんだ。しんどいと、心配してもらえるから…」と、少し照れながら、自分の心が、どうなっているのかを知れて、ドッと安心したような顔。
そんな顔をみれて、私も心から嬉しい時間でした。
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